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- 内田 宏美
- 鳥取大学医学部保健学科
書誌事項
- タイトル別名
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- Value structure on brain death and organ transplantation from the view point of modernization and globalization
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説明
医療化の進行した先進国としては特異な経過を辿った、我が国の脳死・臓器移植の価値構造を明らかにするために、脳死・臓器移植の是非をめぐるインターネット上討論の内容について、KJ法による質的分析を行った。推進派の中心的な価値は、自律と自己決定に至上価値を置くパーソン論的人間観を基盤として、客観的な観察者の視点で展開されるものであった。対する懐疑派は、二元論的な身体観・人間観をはじめとする科学万能主義を戒め、ドナーや家族などの当事者の視点での論議を展開すると共に、非専門家によるコントロールシステムの必要を主張した。脳死・臓器移植の価値構造は、グローバルな近代化の流れが内包する価値を基軸として、「近代」を精緻化し、深化させる方向で対処しようとするものであった。したがって、我々の葛藤は、「近代」を共有する他の多くの社会に対して、先駆的なメッセージと成り得る。
収録刊行物
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- 生命倫理
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生命倫理 11 (1), 18-25, 2001
日本生命倫理学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282679461732736
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- NII論文ID
- 110002276960
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- NII書誌ID
- AN10355291
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- ISSN
- 2189695X
- 13434063
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可