日本の一般病院における倫理委員会の設置状況および倫理的問題への対応の現状(第8回日本生命倫理学会年次大会シンポジウム「尊厳死とDNR(DO NOT RESUCITATE)」)

  • 深津 宜子
    東京大学医学系大学院国際地域保健学講座
  • 赤林 朗
    東京大学医学系大学院国際地域保健学講座
  • 甲斐 一郎
    東京大学医学系大学院国際地域保健学講座

書誌事項

タイトル別名
  • The current status of ethics committees and decision making procedures in general hospitals in Japan

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抄録

日本の一般病院における倫理委員会の設置状況および倫理的問題への対応の現状を把握することを目的として、病院長宛の郵送による自記式質問紙調査を行った。全国の大学病院を除く300床以上の一般病院(全数調査、n=1455)、および100〜299床、20〜99床の病院(20%を無作為抽出、それぞれn=785、n=848)、計3,088病院を対象とした。回収率は44.3%であった。倫理委員会の設置数は、300床以上の病院においては181病院(24.3%)で、300床未満の病院にも少数ながら倫理委員会が設置されていた。全体の13.2%の病院は宗教上の輸血拒否患者の治療について、何らかのガイドラインを持っていた。個々の症例の倫理的問題に対しての助言・判断は、全体の75.6%が「必要がある」と回答した。そのうち20.1%の病院からは「助言・判断は、専門の委員会の仕事の一部として行われたらよい」と回答が得られた。今後は、医学部・医科大学、行政組織、医学系学会、職業集団組織など、様々なレベルにおける委員会組織との相互の関連性を包括的に検討した上で、医療現場での意思決定における倫理委員会の役割を明確にしていくことが必要であろう。

収録刊行物

  • 生命倫理

    生命倫理 7 (1), 130-135, 1997

    日本生命倫理学会

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (18)*注記

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282679462605952
  • NII論文ID
    110001237029
  • NII書誌ID
    AN10355291
  • DOI
    10.20593/jabedit.7.1_130
  • ISSN
    2189695X
    13434063
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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