日本における生殖補助医療の倫理的諸問題の分析
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- 小野 多加江
- 山梨大学
書誌事項
- タイトル別名
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- <i>An analysis of ethical issues of ART in Japan: </i><i>From an historical survey of the AID technology pioneer in Japan </i>
- -AID 技術導入者の言説調査-
- <i>F</i><i>rom an historical survey of the AID technology pioneer in Japan </i>
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抄録
<p> 本稿では、日本初の非配偶者間人工授精(artificial insemination by donor:AID)による誕生を指揮した安藤画一を中心に言説の歴史的調査を、ドナーの匿名性に着目しながら考察する。近年、AID で生まれた当事者が遺伝子上の父を知りたいという悩みに直面していることが取り上げられている。確かに、AID の先駆者である安藤は施術を行う条件のひとつにドナーの匿名性をあげた。そのため、この条件のもとで生まれた子は出自を知ることができないことになる。だが、この点はAID 導入時にもすでに問題として意識され、論じられていた。本稿は、これまで指摘されてこなかったこの点をめぐって、1949年のAID 児誕生を始点に安藤が亡くなる1968年までの言説を中心に考察し、安藤が自ら導入したドナーの匿名性の再検討の必要性を説いていたこと、及び AID の諸問題として血族結婚や子の心理への影響をあげていたことを確認し、結論として AID 導入期において子の出自をめぐる議論の可能性があったことを明らかにする。</p>
収録刊行物
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- 生命倫理
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生命倫理 26 (1), 46-53, 2016
日本生命倫理学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282679463155712
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- NII論文ID
- 130006107975
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- ISSN
- 2189695X
- 13434063
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可