我が国における発達障害のある子どもの親に対するペアレントトレーニングの現状と課題 : 効果評価の観点から

書誌事項

タイトル別名
  • Current Issues in Training Programs for Parents of Children with Developmental Disabilities in Japan : Evaluation of Program Effectiveness
  • ワガクニ ニ オケル ハッタツ ショウガイ ノ アル コドモ ノ オヤ ニ タイスル ペアレントトレーニング ノ ゲンジョウ ト カダイ : コウカ ヒョウカ ノ カンテン カラ

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抄録

本研究では、発達障害のある子どもの親に対して我が国で行われてきたペアレントトレーニングに関する実践や研究の現状と課題を検討することを目的として、ペアレントトレーニングに関する先行研究を概観した。ペアレントトレーニングの支援の形態別に、子どもの特徴と標的行動、支援の内容、支援方法、効果評価の指標と方法などを整理した。その結果、ペアレントトレーニングの親への支援の形態は、親への個別支援、親集団への支援、親への個別支援と親集団への支援を組み合わせた支援の3つに分類することができた。ペアレントトレーニングの効果に関して、個別支援の形態では、子どもの観察データを指標として単一事例実験によって評価しているものが多く、集団支援の形態では、親の精神健康度、抑うつ、ストレス、育児不安などを測定する尺度の得点を指標として1群事前事後テストデザインによって評価しているものが多く見られ、支援の形態で効果評価の指標と方法に差が見られた。一方で客観的な効果評価自体を行っていないために、効果の有無について言及できるものは、約半数から6割にとどまった。以上の結果を踏まえたうえで、今後の課題として、「根拠に基づく実践(evidence-based practice)」という視点から、ペアレントトレーニングによる親子両方への効果評価を客観的に行っていく必要性を指摘した。

収録刊行物

  • 行動分析学研究

    行動分析学研究 27 (2), 104-127, 2013

    一般社団法人 日本行動分析学会

被引用文献 (1)*注記

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