アマミノクロウサギ(<I>Pentalagus furnessi</I>)における自然発生病変の病理組織学的検索:ホルマリン保存臓器を用いた予備的研究

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タイトル別名
  • Histopathological Examination of Spontaneous Lesions in Amami Rabbits (<I>Pentalagus furnessi</I>): a Preliminary Study Using Formalin-Fixed Archival Specimens
  • Histopathological Examination of Spontaneous Lesions in Amami Rabbits (Pentalagus furnessi): a Preliminary Study Using Formalin-Fixed Archival Specimens

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野生アマミノクロウサギ(Pentalagus furnessi)においてどのような自然発生病変がみられるかを調べるために, 2003年8月から2012年3月にかけて剖検され,ホルマリン固定されたアマミノクロウサギの臓器131頭分について病理組織学的な解析を行った。雌成獣1頭においてトキソプラズマ症が疑われる全身性の原虫感染症が,雄幼獣1頭においてグラム陰性桿菌感染による化膿性気管支肺炎および線維素性心外膜炎が認められ,これらが死因と考えられた。その他,類脂質肺炎と思われる泡沫状マクロファージの肺胞内集簇,限局性の真菌性肺炎,限局性の化膿性肉芽腫性肺炎,肺膿瘍,腎膿瘍など,様々な所見がみられた。なかでも泡沫状マクロファージの肺胞内集簇は113例のうち43例と高率に認められた。本研究では野生アマミノクロウサギでみられる自然発生病変の一端が明らかとなったが,十分な結果とは言い難い。今後は全ての死亡個体について病理学的モニタリングを実施できる体制の整備が望まれる。

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