アジアゾウの寛骨臼における大腿骨頭靭帯

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  • Ligament of Head of Femur in the Acetabulum of the Asian Elephant

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抄録

アジアゾウ(Elephas maximus)の大腿骨頭靭帯を肉眼解剖学的および組織学的に検討した。膠原線維が厚い大腿骨頭靭帯を形成していた。靭帯は寛骨臼窩に長さ約60mm,幅20mm,厚さ10-15mmの範囲で密着していた。靭帯の近位端は寛骨臼窩の深い溝に埋まり,月状面の辺縁が靭帯の起始部を囲んでいた。靭帯は背外側に位置する寛骨臼の中央から起始し,寛骨臼の内面を腹内側方向に走行,寛骨臼切痕を経て大腿骨頭に達していた。これらの所見から,厚い靭帯とその広い付着面が,ヒトで見られるのと同様に,大腿骨の内転を制限する機構として働いているという機能的モデルを提唱することができた。一方で,ヒトと異なり,大腿骨の伸展と屈曲には直接の機能的関連がないことが示唆された。

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