ラオス南部農村地域における小規模灌漑の経済評価

書誌事項

タイトル別名
  • Economic Evaluation of Small-Scale Irrigation Ponds in Rural Southern Areas of Lao PDR

この論文をさがす

抄録

池は小さな貯水設備であり,農家は雨季には雨水を貯め乾季には灌漑を補う.ラオスでは広く貯水のために池が用いられてきたが,近年農家によって農場に個人利用の池を造る事が増え,政府はその投資効果に関心を寄せている.本稿では,2012年にラオス南部の2県で行った池の調査に基づき,大・中・小に分類された池の経済性を調べた.池を造るコストと池から得られる農家への利益を比較し,池の費用便益分析を行った.ネットプレゼントバリュー(NPV)で,将来,池から生じる価値とコストの割引現在価値の合計を比較した.すべての池が正のNPVを持ち,便益費用比率で1以上であった.家族労働の帰属費用まで含めると,小・中の池で投資が正当化された.この地方では,小・中の池が大きな池に比べてより多くの経済的所得をもたらす.大きな池はコミュニティレベルで経済的に見合うものの,貧しい農家にとってその投資は厳しい制約となっている.

収録刊行物

参考文献 (7)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ