日本のトキの復活は可能か -トキの人工繁殖のために開発した内分泌学的方法-

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  • Endocrinological Methods Developed for Artificial Breeding of Endangered Avian Species

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抄録

日本のトキの人工繁殖のため次のような計画を考えた。まず非侵襲的方法(我々は糞中の性ステロイドホルモンの測定した)で生殖腺の状態を推定する。雌の場合, 卵巣が発達しているにもかかわらず排卵がおこらないのならば, 生殖腺刺激ホルモン(黄体形成ホルモン)投与で排卵を誘起する。もしも卵巣が発達していない場合には浸透圧ポンプで生殖腺刺激ホルモンを連続的に投与して卵巣を発達させ, 続いて注射で生殖腺刺激ホルモンを与えて(人工的に黄体形成ホルモン・サージを起こす)排卵を誘起する。時既に遅く, この計画は日の目を見なかったが, ウズラをモデルとする実験では糞中ステロイド濃度から血漿中のステロイドホルモン濃度の推定が可能であることが分かった。また, 短日条件で卵巣を退化させたメスウズラの45%くらいにホルモン処理で産卵を誘起することに成功した。この方法の一部は野生の鳥類の繁殖状況を推定する研究にすでに用いられている。また, ニュージーランドでカカポの人工繁殖にこれらの方法を適用するための研究が行われている。

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参考文献 (18)*注記

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