高密度生息地域で捕獲した野生ニホンジカ(<i>Cervus nippon</i>)におけるダニ媒介性病原体の保有状況

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タイトル別名
  • Prevalence of Tick-borne Hemolytic Microbes in Free-living Sika Deer (<i>Cervus nippon</i>) Captured in a Deer-overcrowded Area
  • Prevalence of tick-borne hemolytic microbes in free-living sika deer (Cervus nippon) captured in a deer-overcrowded area

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抄録

福井県の高密度生息地域で捕獲した36頭の野生ニホンジカから血液を採取し,ダニ媒介性の住血液病原体であるヘモプラズマ,ピロプラズマ,アナプラズマの保有状況を調査した。36頭中,13頭(36.1%)に‘Candidatus Mycoplasma erythrocervae’,13頭(36.1%)に‘Ca. M. haemocervae’,25頭(69.4%)にTheileria sp. Thrivae,1頭(2.8%)にTheileria sp. Sola,5頭(13.9%)にAnaplasma phagocytophilum,8頭(22.2%)にA. bovis,28頭 (77.8%)にAnaplasma sp.の感染が認められ,高い感染状況にあることが確認された。本調査にて得られたTheileria sp. Thrivaeの塩基配列の系統解析によると,過去にニホンジカから検出されたTheileria sp.と近い関係を示し,系統樹でも独立した分枝を形成したことから,これらがニホンジカの間に広がる新たなタイレリアであることが示唆された。本調査によって得られたAnaplasma sp.の塩基配列の系統解析によると,過去に日本の家畜の牛及び野生反芻獣から検出されたAnaplasma sp.と近い関係を示し,系統樹でも独立した分枝を形成したことから,新たなアナプラズマであることが示唆された。

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参考文献 (27)*注記

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