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タイトル別名
  • The Structure of the Japanese Wastepaper Market
  • The structure of the Japanese wastepaper market: measuring the degree of oligopsony power
  • Measuring the Degree of Oligopsony Power
  • 買手寡占力の計測

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抄録

古紙リサイクルの進展とともに, 古紙市場を取り巻く環境は, ゴミ問題を背景とする古紙回収への行政介入や, 紙・パルプ産業の合併に伴う寡占化等により大きく変化している. また, 1997年頃には, 古紙余剰に伴い古紙価格が大幅に下落するなどの問題が深刻化し, その価格決定に関しては様々な見解が示されている.<br>本研究の目的は, 第1に, 我が国の古紙価格が買手寡占的なメカニズムにより決定されているとの仮説を検証することであり, NEIOの理論的枠組みに依拠しつつ, 同時方程式モデルを構築することによってその買手寡占力を計測した. 第2は, 製紙原料の需要構造を解明することであり, モデル構築に際して, 古紙, 輸入パルプ, および国産パルプを生産要素とするトランスログ型費用関数を適用し, それらの需要構造を明らかにした.<br>分析の結果, 古紙市場における買手寡占力の存在が是認されたが, その力は徐々に弱まりつつあり, 近年では完全競争に近い状態にあること, 製紙原料の需要構造はいずれにおいても価格変化に対して非弾力的に反応し, 特に, 古紙の価格弾力性は非常に小さいこと, そして, 輸入パルプと国産パルプは強い代替関係にある一方, 古紙と他の製紙原料との代替の弾力性は小さいこと, 等が明らかとなった.

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参考文献 (55)*注記

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