バングラデシュにおける青果物市場の市場成果

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  • Performance of Fruit and Vegetables Marketing System The Case of Bangladesh

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抄録

バングラデシュでは, 農産物の販売部門の重要性が増すに従い, 生産者及び消費者の視点からその市場成果が問題とされるようになっている. 本論文では, これまで取り上げられることが少なかったバングラデシュ青果物市場を対象とし, 流通段階別のマージンの大きさ及び市場別, 販売時期別の価格形成という視点からその市場成果を検討した.<br>検討においてはバングラデシュにおける既存の研究成果と実態調査結果より得られたデータを用い, 次の結論を得た. (1) 青果物の販売マージンは米よりは高いが, 主要な中間商人であるフォリア, ベパリ, 小売商はいずれも指摘される程過大な利益率を得ていない. しかし, ポテトの貯蔵商人とアラトダは高い利益率を上げており, それが輸送費用と廃棄費用の高さとともに高い流通マージンを結果させる主要因となっている. (2) 流通チェーン短縮策として提起されているフォリアの排除は妥当性をもたない. というのは, それはインフォーマルセクタを形成し雇用の場となっているのみならず, 提供するサービスは青果物流通の効率性を高めているからである. (3) 価格形成においては, 各青果物市場は分断されているわけではないが, 輸送事情の悪さにより, 市場相互の連関性は弱い. (4) ポテト市場については, 販売時期により価格が大きく変動し問題となっているが, それは低温貯蔵施設の不足によるものではなく, 農民の資金不足に原因がある.

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