新規骨格を持つ抗がん剤の開発:白金-ヒ素錯体の構造と有効性評価

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抄録

シスプラチン(1)は幅広い抗腫瘍スペクトルを持つ代表的な無機医薬品の1つであり,現代では他剤併用を主流に,卵巣がんや精巣がん,膀胱がん等の治療に応用されている.しかし,薬剤耐性を示す腫瘍細胞の発現頻度が高く,腎毒性等,通常組織への副作用も強いため,代替医薬品の開発が望まれている.一方,ヒ素はその有害性のみ一般に知られるが,ヒ素化合物,特に三酸化二ヒ素(亜ヒ酸)は急性前骨髄球性白血病の治療薬としても使用されている.本稿では,白金にヒ素を組み込んだ新しいタイプの抗腫瘍活性化合物について紹介する.<br>なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.<br>1) Rosenberg B. et al., Nature, 222, 385-386 (1969).<br>2) Chen H. et al., Angew. Chem. Int. Ed., 48, 9295-9299 (2009).<br>3) Miodragović Ð. U. et al., Angew. Chem. Int. Ed., 52, 10749-10752 (2013).

収録刊行物

  • ファルマシア

    ファルマシア 50 (4), 351-351, 2014

    公益社団法人 日本薬学会

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