イチョウ葉エキスに含まれるフラボノールおよびテルペンラクトンの薬物動態

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イチョウ葉エキスには心臓血管障害や脳機能不全の治療,予防に効果があるとされ,栄養補助食品として使用されている.これらの薬理作用にはフラボノール(ケルセチン類・ケンフェロール類・イソラムネチン類)とテルペンラクトン(ギンコライド類・ビロバライド)が関係していると考えられている(図1).上記の病気に共通する点として血流障害が挙げられることから,イチョウ葉エキスの作用は全身循環によるものであることが考えられる.つまり,血漿を含めた全身の薬物動態を調べることが不可欠である.またイチョウ葉エキスには神経保護作用も報告されているが,これらの成分の脳への移行性については明らかになっていない.そこでFengらは経口投与および経静脈投与の2つの方法を用いて,化合物の全身および脳への移行性について検討を行った5)ので紹介する.<br>なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.<br>1) Kleijnen J. et al., Lancet., 340, 1136-1139 (1992).<br>2) Zhou W. et al., Cardiovasc. Drug Rev., 22, 309-319 (2004).<br>3) Yoshitake T. et al., Br. J. Pharmacol., 159, 659-668 (2010).<br>4) Luo Y. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A., 99, 12197-12202 (2002).<br>5) Chen F. et al., Bri. J. Pharmacol., 170, 440-457 (2013).

収録刊行物

  • ファルマシア

    ファルマシア 50 (7), 692-692, 2014

    公益社団法人 日本薬学会

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