3Dプリンターで自作したフロー反応器で医薬品原料を合成する

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抄録

フロー反応は,管内に試薬を流通させながら化学反応を行う手法であり,フラスコなどを用いるバッチ反応と比較して安全性,生産性に優れている.また,従来のフラスコ内でのかく拌とは異なり,微小空間において試薬を衝突させて混合を行うため,反応効率が向上することが知られている.一方で,反応の収率や選択性は反応器の形状(反応管の長さ,径,屈折など)に大きく依存するため,反応器の最適化が必要になり,簡便かつ目的に応じて反応器を微調整する工夫が必要である.3Dプリンターは,用途に合わせて迅速かつ自由自在に立体を造形でき,複雑な流路で構成されるフロー反応器の最適化において極めて効果的である.今回PuglisiとBenagliaらは,3Dプリンターで自作したフロー反応器を用い,医薬品原料として多用される光学活性1,2-アミノアルコール1の不斉合成に成功したので,本稿にて紹介する.<br>なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.<br>1) Movsisyan M. et al., Chem. Soc. Rev., 45, 4892-4928(2016).<br>2) Rossi S. et al., Angew. Chem. Int. Ed., 56, 4290-4294(2017).

収録刊行物

  • ファルマシア

    ファルマシア 54 (1), 68-68, 2018

    公益社団法人 日本薬学会

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