カーボンナノチューブのケーブル化の可能性とその技術的課題(<特集>宇宙エレベータの実現を目指して 第9回)

  • 井上 翼
    静岡大学大学院総合科学技術研究科工学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Mechanical Properties of Dry-spun Carbon Nanotube Yarns
  • 特集 宇宙エレベータの実現を目指して(第9回)カーボンナノチューブのケーブル化の可能性とその技術的課題
  • トクシュウ ウチュウ エレベータ ノ ジツゲン オ メザシテ(ダイ9カイ)カーボンナノチューブ ノ ケーブルカ ノ カノウセイ ト ソノ ギジュツテキ カダイ

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説明

カーボンナノチューブ(CNT)は電気,熱,荷重を伝える素材として大変優れた材料である.本研究ではその中でも機械特性に着目したものである.塩化物介在CVD法により作製した1mmを超える長さのCNTアレイは,一端をつまみ出すとCNT同士が連結したCNTウェブとなり,長尺方向に高い配向性を有する構造体に形態変化する.この乾式紡績で得られたCNTウェブに撚りを加えて紡績糸を作製した.CNTによる軽量高強度高弾性長繊維の実現を研究目的としている.紡績糸にさらに追撚や合わせ撚りなどを施しCNT同士のファンデルワールス結合度を強化して機械特性の向上を図った.長さ1mm程度のCNT短繊維を撚り合わせた紡績糸で,引張強度1GPa,ヤング率50GPaを超える高強度高弾性繊維が得られた.

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