リノール酸の自動酸化速度およびその酸化挙動への抗酸化剤の影響

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タイトル別名
  • Autoxidation Rate of Linoleic Acid and Effect of Antioxidants on the Oxidation.
  • リノールサン ノ ジドウ サンカ ソクド オヨビ ソノ サンカ キョドウ エ ノ コウサンカザイ ノ エイキョウ

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説明

リノ-ル酸の熱酸化挙動およびそれにおよぼす抗酸化剤の影響を気泡塔型流通反応器を用いて速度論的に検討した.リノール酸の酸化は,酸化速度の非常に遅い誘導期と酸化反応が急速に進行する加速期の2段階で進行した.酸化反応速度を自動酸化反応機構に基づいて解析し,リノール酸の酸化反応速度式はリノール酸濃度,生成過酸化物濃度,酸素分圧および反応温度の関数として表せることを示した.窒素ガス存在下において生成した過酸化物は分解され,その速度は過酸化物濃度の一次反応として表された.抗酸化剤としてα-トコフェロールを添加した場合のリノール酸の酸化挙動は,速度の非常に遅い誘導期,酸化反応が見かけ上停止する停止期および酸化反応が急速に進行する加速期の3段階で進行した.特に誘導期の酸化速度は,α-トコフェロールを0.01wt%添加したときに最も遅くなり,抗酸化効果が最大となる添加量が存在することが分かった.それ以上添加すると酸化速度は増加した・また,α-トコフェロールの添加量の増加に伴い停止期の過酸化物濃度は高くなり,その期間は長くなった.加速期の速度はα-トコフェロール添加量に関係なく無添加の場合と同じ大きさであった.α-トコフェロールと同時にアスコルビン酸ステアリン酸エステルを添加することにより,α-トコフェロールの酸化促進作用が抑制され効果的に酸化を抑制できた.

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