多孔性チタニア膜を用いたメチレンブルーの光触媒膜型反応

  • 都留 稔了
    広島大学大学院工学研究科 物質化学システム専攻
  • 大谷 由扶子
    広島大学大学院工学研究科 物質化学システム専攻
  • 吉岡 朋久
    広島大学大学院工学研究科 物質化学システム専攻
  • 淺枝 正司
    広島大学大学院工学研究科 物質化学システム専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Photocatalytic Membrane Reaction of Methylene Blue on Nanoporous Titania Membranes
  • タコウセイ チタニア マク オ モチイタ メチレンブルー ノ ヒカリ ショクバイ マクガタ ハンノウ

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抄録

多孔性管状支持体(細孔径1 µm)の表面にチタニアコロイドをコーティングすることでナノ細孔を有するチタニア多孔膜を作製し,光触媒膜型反応へ応用した.光触媒膜型反応では,チタニア多孔膜を透過しながら光触媒反応が起こるため,光触媒反応した溶液を膜透過側に得ることができる.ブラックライト(BL)を光源とする光触媒膜型反応を構築し,モデル溶質としてメチレンブルーおよびポリエチレングリコールを用いた.平均細孔径10 nmを有するチタニア膜では,BL照射を行わない場合,透過液濃度は供給濃度の約40%(阻止率約60%)を示した.BL照射を行った場合,透過側メチレンブルー濃度は,圧力,温度,供給液濃度に依存しているものの,供給液濃度の約5%程度まで低下した.分子篩による分離と光触媒反応を組み合わせることで,膜選択性を向上させることができることを明らかとした.さらに,BL照射を行なわない場合の体積透過流束は,メチレンブルー供給液濃度の増加とともに,ファウリングによって低下する傾向を示した.一方,BL照射においては,光照射のない場合と比べて体積透過流束は増大し,ほぼ一定の体積透過流束を示したことから,光触媒反応によって膜ファウリング物質の除去が可能となることを明らかとした.

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