バイオマス流動層ガス化におけるガス化効率の向上とタール発生の抑制

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  • Efficiency Upgrade and Tar Elimination in Fluidized Bed Biomass Gasification
  • バイオマス リュウドウソウ ガスカ ニ オケル ガスカ コウリツ ノ コウジョウ ト タール ハッセイ ノ ヨクセイ

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抄録

本研究では,研究室規模の高速流動層チャー燃焼炉に連結したバブリング流動層ガス化炉により,コーヒー滓水蒸気ガス化におけるガスへの(CおよびH)転換率および冷ガス効率をより向上させ,タールの発生を抑制する技術手法を明らかにすることを目的とした。ガス化剤である水蒸気量(S/C:蒸気量/燃料供給量中の炭素量のモル比)および触媒の影響におけるガス化特性を検討した。さらに,燃料の飛散防止およびタール改質を促進させるために,二段ガス化炉で同様の試験を実施し,一段の結果と比較・考察した。<br>結果として,水蒸気量の影響は,S/Cモル比が増加するに連れてガスへの転換率および冷ガス効率は少し向上した。これは水性ガス化およびシフト反応が促進されることによると考えられる。Ca系の触媒効果では,乾燥後のコーヒー滓にCaを数%物理混合する程度では,冷ガス効率およびガスへの転換率は若干向上する程度であった。一方,乾燥過程中に燃料とCaを混合することで担持させた場合は,Caを燃料中に高分散することで,燃料と触媒との接触が向上するために燃料のガス化効率は顕著に向上し,タール濃度は約1/4に減少した。二段ガス化炉では,コーヒー滓のみの場合,冷ガス効率およびガスへの転換率は一段ガス化炉の結果よりも向上し,タールは20%以上低下した。一方,Caを担持した燃料の場合,冷ガス効率およびガスへの転換率は向上するが,タールは若干量低下するのみであった。これは,コーヒー滓のガス化によって生成するタールは,担持したCaの高い触媒効果により分解されたと推測できる。<br>以上の結果をガス化ガス中のH2/COのモル比で整理すると,C転換率およびタール濃度を定性的ではあるが迅速に予測可能となる。

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