非ウイルス型遺伝子キャリアとしてのリン酸カルシウムおよび水酸化アルミニウム―DNA‐無機塩複合体の形態とDNAトランスフェクション効率―

  • 松澤 有希子
    豊橋技術科学大学工学部エコロジー工学系
  • 恵美 宣彦
    名古屋大学大学院医学系研究科第1内科
  • 神戸 俊夫
    名古屋大学大学院医学系研究科病態制御研究施設医真菌研究部門

書誌事項

タイトル別名
  • Calcium Phosphate and Aluminum Hydroxide as Non-Virus Gene Carrior: the Morphology of DNA-salt Complex and the Effects It on DNA Transfection
  • ――DNA-無機塩複合体の形態とDNAトランスフエクション効率

説明

無機塩をDNA導入時のキャリアとし,DNA-無機塩複合体の形状に関する検討を行った.無機塩として,リン酸カルシウムおよび水酸化アルミニウムを使用した.リン酸カルシウムは古典的なDNA導入のキャリアとして広く利用され,DNA分子を凝縮し沈殿させることはすでに知られている.一般にDNAの濃度を上げると複合体のサイズが大きくなると考えられるが,DNA-リン酸カルシウム複合体の場合はDNAの濃度の増加により分散性のよい小さな凝縮体が形成されることを明らかにした.そして,分散性の高い小さな凝縮体が形成される条件下でDNA導入効率がよいことが分かった.さらに,アジュバントとしてすでに臨床で使用されている水酸化アルミニウムとDNAの複合体の形状について調べた.水酸化アルミニウムとDNAの複合体においても分散性のいい小さな凝縮体の方がDNA導入効率が良いことを明らかにした.ここに,DNA-無機塩複合体の形状がDNA導入効率の上昇の鍵となっていることを報告する.

収録刊行物

参考文献 (15)*注記

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