「粒子・流体系分離工学の展開」平行平板膜ろ過プロセスにおける物質移動の漸近解

  • 山中 忠衛
    産業技術総合研究所物質プロセス研究部門
  • 乾 滋
    信州大学繊維学部 感性工学科
  • 須丸 公雄
    産業技術総合研究所バイオニクス研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Asymptotic Solution of Mass Transfer in Parallel Plate Membrane Filtration Processes
  • 平行平板膜ろ過プロセスにおける物質移動の漸近解
  • ヘイコウ ヘイバン マク ロカ プロセス ニ オケル ブッシツ イドウ ノ ゼンキンカイ

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抄録

平行平板層流系膜ろ過プロセスに関して, ろ過流速が一定のときのBermanの流動場の解に基づき, 物質移動の漸近摂動解析を行った. 流れ軸方向スケールが流路巾に較べて十分大きいという仮定の下で, 圧力と濃度差による膜透過が共存する一般的な系を扱った. 摂動解析によって, 物質収支式から, 溶質粒子の膜透過流束および膜表面濃度に関する常微分方程式が導かれた. 膜の外側の溶質濃度を0とした同次境界条件の下で, 漸近常微分方程式に基づき, 物質移動係数およびシャーウッド数の近似解を得た. 得られた結果は, 固有関数展開による級数解と比較され, ろ過流束が十分小さい漸近状態において, 良い近似を与えることが示された. 提案された漸近解析法は, 従来の境膜理論を拡張したものであり, 低レイノルズ流系を含む各種の層流系膜ろ過プロセスの物質移動モデル化に応用できると考えられる.

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参考文献 (14)*注記

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