重金属汚染土壌のファイトレメディエーションと有価金属の回収

  • 小林 史尚
    金沢大学大学院自然科学研究科 金沢大学自然計測応用研究センターエコテクノロジー研究部門
  • 淺田 元子
    金沢大学大学院自然科学研究科
  • 中村 嘉利
    金沢大学大学院自然科学研究科

書誌事項

タイトル別名
  • Phytoremediation of Soil Contaminated with Heavy Metals and Recovery of Valuable Metals
  • ジュウキンゾク オセン ドジョウ ノ ファイトレメディエーション ト ユウカ キンゾク ノ カイシュウ

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抄録

ファイトレメディエーションは土壌から有毒な汚染物を回収するための植物を利用した技術であり,新規な環境保全型浄化方法として期待されている.本研究では,重金属汚染土壌のファイトレメディエーションと有価金属の新規回収法について検討した.ヘビノネゴザ(Athyrium yokoscense)を重金属蓄積植物として用いた.植物体は水蒸気爆砕とWaymanの抽出法によって水可溶性物質,メタノール可溶性リグニン(低分子リグニン),ホロセルロース,Klasonリグニン(高分子リグニン)に分離され,銅と鉄の重金属濃度が測定された.15 mgの銅と2.6 mgの鉄が葉身や葉柄などの地上部分における水可溶性物質成分1 g, 41 mg銅と4.2 mg鉄が根茎や根などの地下部分におけるKlasonリグニン(高分子リグニン)成分1 gに存在した.これらの成分は重金属の回収に用いることができることがわかった.汚染土壌と植物中の重金属(銅と鉄)の存在量を推算した.銅1 gと鉄0.1 gが汚染土壌500 gから回収され,土壌中の銅と鉄の除去率はそれぞれ82と95%であった.

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参考文献 (29)*注記

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