相対エントロピーを基にした流れ場の混合能力評価

  • 柴 貴子
    大阪大学大学院基礎工学研究科 物質創成専攻化学工学領域
  • 井上 義朗
    大阪大学大学院基礎工学研究科 物質創成専攻化学工学領域

書誌事項

タイトル別名
  • Evaluation of Mixing Ability of Flow Field Based on Relative Entropy
  • ソウタイ エントロピー オ モト ニ シタ ナガレバ ノ コンゴウ ノウリョク ヒョウカ

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抄録

流体混合を解析する場合に用いられる定量的指標として,混合度と混合能がある.混合度は着目流体の空間分布の一様性に関する指標であるのに対し,混合能は流体運動における混合性の強さに関する指標である.本論文では,相対エントロピー(あるいはKullback-Leiblerの情報量)に相当する量を用いて新しい混合能の定量的指標を提示する.流れの中で混合に直接寄与する部分は,力学系と見なした流れ場のPoincaré断面に見られるBirkhoffパターンと呼ばれる構造,すなわちカオスの海やKAM曲線で囲まれた孤立島状領域等の幾何学的形状に強く依存する.本論文で提案した混合能は,このBirkhoffパターンから予測される流れ場の潜在的な混合能力を的確に反映することのできる指標である.また,その計算に用いる流体粒子数への依存性も少ないという利点を持つ.

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