アルカリ水熱処理によるグリセリンからの乳酸生成反応の速度論的検討

  • 岸田 央範
    日立造船(株)環境事業本部 環境総合開発センター
  • 金 放鳴
    東北大学大学院環境科学研究科 環境科学専攻
  • 守谷 武彦
    東北電力(株)研究開発センター
  • 榎本 兵治
    東北大学大学院環境科学研究科 環境科学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Kinetic Study on Conversion of Glycerin to Lactic Acid by Alkaline Hydrothermal Reaction
  • アルカリ スイネツ ショリ ニ ヨル グリセリン カラ ノ ニュウサン セイセイ ハンノウ ノ ソクドロンテキ ケントウ

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説明

近年,化石燃料に換わる燃料として,バイオディーゼル燃料(BDF)が注目されている.しかし,BDFの製造時に約1/10の量のグリセリンが副生されるため,これの有効利用方法が課題となっている.著者らの研究の結果,グリセリンは,アルカリ性の高温高圧水中で,反応させることによって,乳酸に転換されることが分かった.乳酸への転換率は高く,300°C,90分の反応条件で,約90 mol%であった.また,反応経路として,グリセリンはピルブアルデヒドを経由して乳酸へ転換するであろうと推測した.そこで,この反応経路をもとに反応モデルを作成し,反応速度式を導いた.また,反応温度,濃度などの操作条件を変化させた実験の結果から,反応の活性化エネルギーなどを得た.このようにして求めた反応速度式から推算される乳酸の生成速度と実験によって求めた乳酸の生成速度はよく一致しており,反応モデルの妥当性が示された.

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