pH変化による無機結晶内ピラニン包含高効率発光結晶の発光波長制御

  • 渡部 翼
    岩手大学大学院工学研究科応用化学・生命工学専攻
  • 土岐 規仁
    岩手大学大学院工学研究科応用化学・生命工学専攻
  • 横田 政晶
    岩手大学大学院工学研究科応用化学・生命工学専攻
  • 清水 健司
    岩手大学大学院工学研究科応用化学・生命工学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Luminescence Wavelength Control of the High Efficient Pyranine Inclusion Inorganic Crystals by Adjusting pH
  • pH ヘンカ ニ ヨル ムキ ケッショウ ナイ ピラニン ホウガン コウコウリツ ハッコウ ケッショウ ノ ハツ ヒカリハチョウ セイギョ

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説明

近年,有機白色LED(WOLEDs)などに用いられる新規発光材料として,高効率発光体の開発が盛んに行われている.しかし,次世代発光体の創製には色純度や発光効率を向上させる必要がある.そこで,本研究では,無機ホスト-有機ゲストからなるハイブリッド構造に着目し,硫酸カリウム/ピラニンハイブリッド結晶を水溶液冷却法により作製した.得られたハイブリッド結晶は,有機ゲスト分子が無機ホスト骨格内に取り込まれた構造をしており,量子収率も中性条件において最大で83.5(%)と非常に高い値を示した.また,結晶生成段階におけるpHを調整することで発光色を淡青色から緑色の領域で制御することができた.このハイブリッド構造においては,発光中心であるホスト-ゲスト間相互作用による分子振動起因の無放射失活過程の軽減,および,発光中心である有機分子がホスト結晶骨格内に分散されたため,濃度消光やエキシマー形成による発光波長の変調をきたさなかった.これらの特性から,このハイブリッド構造を用いることで発光中心である有機分子の分子選択の幅が広がると期待される.

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参考文献 (31)*注記

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