担子菌による一置換ベンゼン誘導体生分解反応の解析

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  • Study of Mono-Substituted Benzenes Biodegradation by White-Rot Basidiomycete
  • タンシキン ニ ヨル イチ チカン ベンゼン ユウドウタイ セイブンカイ ハンノウ ノ カイセキ

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抄録

白色腐朽菌などをはじめとする担子菌はリグニン分解酵素を菌体外へ放出し,樹木の成分である難分解性の天然高分子,リグニンをはじめ,PCB,ダイオキシン,ビスフェノール化合物などのさまざまな構造の難分解性物質を分解することで知られている.またその分解速度は物質の構造によって異なる.本研究では汚染物質の中でも一置換ベンゼン誘導体に注目し,難分解性物質を担子菌によって分解する際に構造の違いが分解に与える影響を解析し,分解に対する速度論的知見を得ることを目的とした.担子菌Coriolus hirsutus IFO 4917の培養液において,ベンゼン置換基の異なるアニリン,フェノール,ベンズアルデヒドの分解速度を解析した結果,各ベンゼン誘導体の酸解離平衡定数の対数値と速度定数の対数値との間に直線関係がみられ,Hammettの経験則にあてはまることがわかった.直線の傾きは負の値を示した.Hammettの式をもとに一置換ベンゼン誘導体の生分解速度を予測できる可能性が示された.

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