塩化物を担持させた稚内層珪質頁岩の吸湿メカニズムの評価

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タイトル別名
  • The Evaluation of the Moisture Sorption Mechanism of Chloride-Impregnated Wakkanai Siliceous Shale
  • エンカブツ オ タンジサセタ ワッカナイソウケイシツ ケツガン ノ キュウシツメカニズム ノ ヒョウカ

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抄録

稚内層ケイ質頁岩は周囲の相対湿度変化に応じて吸放湿を行う自律的調湿機能を持つ.筆者らは,その吸湿性能の向上を目的として塩化物担持を行ってきたが,その吸湿メカニズムについての詳細な検討はなされていなかった.そこで細孔に束縛された水の状態を把握するためDSCによる分析および窒素ガス吸着法を応用した細孔分布評価を行い,塩化物担持ケイ質頁岩の水蒸気吸着がどのような過程で進んでいくのかを検討した.結果,自由水ピークが現れ始める境界量と,表面ぬれの起こる含水量と,メソ孔容量に相当する水の体積はほぼ一致することがわかった.また,細孔分布の変化から,吸着した水分子はケイ質頁岩の小さい細孔径から順に吸着していき,上限濃度で担持したケイ質頁岩の最大吸湿時にすべてのメソ孔を満たすことを明らかにした.さらに,ほかの多孔質材料に塩化物担持を適用した場合についても検討を行った.その結果,ケイ質頁岩のように中湿域からの吸湿性能向上のためには,メソ孔を有するだけでなく塩化物担持処理に耐えうる安定した材料であることが重要とわかった.

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