流脈線ローブに基づく3次元撹拌槽内の層流混合機構の解析

  • 井上 義朗
    大阪大学大学院基礎工学研究科物質創成専攻 化学工学領域
  • 橋本 俊輔
    大阪大学大学院基礎工学研究科物質創成専攻 化学工学領域

書誌事項

タイトル別名
  • Analysis of Mechanism of Laminar Fluid Mixing in 3-D Mixing Tank Based on Streakline Lobes
  • リュウ ミャクセン ローブ ニ モトズク 3ジゲン カクハンソウ ナイ ノ ソウリュウ コンゴウ キコウ ノ カイセキ

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抄録

撹拌槽内の流れは3次元,非定常,非対称である.そのため,たとえ流れが層流であっても,混合機構を決定論的過程として明確に示すことは困難であった.本研究では,パドル翼の羽根先端部から伸びる流脈線の形が混合パターン形成過程における鋳型となること,および,その形状と伸び方を調べることにより,3次元撹拌槽内のrz,θ–z,θ–r面内のそれぞれにおいて微細な混合パターンが決定論的規則に従って形成される機構を明らかにした.1本の流脈線は,撹拌槽内の混合領域を密に覆う多重螺旋曲面上に載り,その曲面上で多数のローブ形状を描くとともに,ローブの内部に他のローブの襞が侵入する入れ子的な構造を形成する.これにより,流脈線や流脈線ローブは3次元の混合領域全体を密に覆うことができ,流体はこの鋳型に従って組織的に微細な混合パターンを生み出すことが可能になる.また,撹拌翼の羽根先端から伸びる流脈線によって形成される鋳型は,羽根の通過周期時間ごとに観測する限り,時間的に変化しない不変的な構造である.

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