不確定要素を考慮したレシピ設計手法の開発とその樹脂コンパウンド製品設計への適用

  • 河野 浩司
    三菱化学エンジニアリング(株)システムソリューション事業部
  • 加納 学
    京都大学大学院工学研究科 化学工学専攻
  • 長谷部 伸治
    京都大学大学院工学研究科 化学工学専攻
  • 鹿野 昌和
    東京インキ(株)技術第3部第2グループ

書誌事項

タイトル別名
  • Development of a Recipe Design Method Incorporating Uncertainty and Its Application to Resin Compound Product Design
  • フカクテイ ヨウソ オ コウリョ シタ レシピ セッケイ シュホウ ノ カイハツ ト ソノ ジュシ コンパウンド セイヒン セッケイ エ ノ テキヨウ

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抄録

樹脂コンパウンド製品の一つである樹脂着色剤は,客先で原料として使用できるかどうかによって評価される.このため,樹脂着色剤メーカーは試作品を顧客に提供し,顧客が品質評価を行う.この品質評価結果は,顧客が使用する樹脂の特性や製造条件に依存する.そしてこれらの情報はメーカーに開示されず,評価結果のみが伝えられるため,メーカーは極めて不確定性の高い状況下で樹脂着色剤を製造するためのレシピ(原料配合比率)を設計しなければならい.このため,レシピ設計は熟練技術者の勘と経験に依存した業務になっている.本研究では,これまでに蓄積された試作レシピとその客先評価結果を解析し,原料配合比率から不良品発生率を予測するモデルを構築するとともに,独立成分分析に基づく影響度解析を用いて,レシピ設計段階で予想される不良品発生率が低くなるように原料配合比率を修正できる効率的なレシピ設計手法を開発した.さらに,東京インキ(株)が製造している樹脂着色剤のレシピ情報を用いて,開発したレシピ設計手法の有用性を検証した.その結果,本手法は熟練技術者の知見に適合しており,レシピ設計業務の効率化に大きく貢献できることが確認された.

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参考文献 (11)*注記

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