e/m測定器用ヘルムホルツのコイルにおける電流と磁束密度との関係の実験的決定法について
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- 平田 邦男
- 山梨大学教育学部
書誌事項
- タイトル別名
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- Experimental Method of Determining the Relationship Between Coil Current and Magnetic Flux Density in the Helmholtz Coil for Measurement of e/m
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説明
本稿は,電子のe/m測定器用ヘルムホルツのコイルの弱磁界を測定する従来の方法の問題点を考察し,サールコイルを用いる交流法によって,ヘルムホルツのコイルに流す電流と生じる磁束密度との関係を実験的に決定する方法について論じたものである.本方法の原理は,交流によって生じるヘルムホルツのコイルの磁界にサーチコイルを入れ,生じる最大誘導起電力と交流の最大電流値とを比較して,一般に電流と磁束密度との関係を決定するものである.この方法には二通りあるが,そのうちコイルの断面積と総巻き数が既知のサーチコイルを用いる方法は,原理が簡単であり,得られた結果はビオ・サバールの法則から求められる関係と極めてよく一致した.従来から,電子のe/m測定実験におけるヘルムホルツのコイルの磁束密度は,ビオ・サバールの法則から得られる関係式を利用して求めるのが通例であった.しかし,高等学校物理の段階ではその関係式を理論的に理解させるのは一般に困難であり,測定によってその関係式を求めることが望まれていた.サーチコイル法の原理は高等学校生徒にも容易に理解可能である.したがって,この方法によって磁束密度を求め,電子のe/mを測定するならば,e/mの測定実験を従来よりも有意義なものにすることができるといえよう.
収録刊行物
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- 物理教育
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物理教育 24 (1), 26-29, 1976
日本物理教育学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282679491384192
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- NII論文ID
- 110007488805
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- ISSN
- 24321028
- 03856992
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可