宇宙物理学 : 20世紀から21世紀へ(その2)

書誌事項

タイトル別名
  • Astrophysics from the 20th to the 21st Century
  • ウチュウ ブツリガク 20セイキ カラ 21セイキ エ ソノ 2

この論文をさがす

抄録

ハッブルは宇宙が膨張している観測的証拠を示した。この当時,多くの人々にとって宇宙が膨張しているということ自体想像しがたいことであった。もし宇宙が膨張しているとしたら,時間を過去にさかのぼると宇宙はどうなっていたのか,だれしもが疑問に思うことである。宇宙の膨張を過去にさかのぼると宇宙の物質の密度と温度は増大していく。実際,宇宙は過去に温度と密度が非常に高い状態にあったことを示す証拠が1965年に観測的に見つかった。さらに,過去の宇宙は非常に均質でほぼ一様な状態にありながら,温度が一様からわずかにずれていたことが1990年代に発見された。このずれは,現在の宇宙における銀河や銀河団などの多様な階層構造が形成過程の手がかりを与えるものだった。21世紀を前にして,宇宙における物質の創生や宇宙の階層構造の進化のあらましが描けるようになってきた。

収録刊行物

  • 物理教育

    物理教育 48 (4), 293-298, 2000

    日本物理教育学会

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ