てんかん発作による意識障害に起因した自動車事故例の検討―本邦判例からみた運転者の刑事責任と現行法上の問題点について―

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タイトル別名
  • Analysis of Vehicle Collision Cases in Court Where the Driver Suffers from Unconsciousness due to Epileptic Fit: A Study on the Precedents for Drivers' Duty of Care, and Several Problems Regarding the Present Road Traffic Law

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説明

近年、てんかん発作に起因した事故が散見されるが、その背景と刑事責任について検討した。対象は1966年から2011年に発生し、運転者のてんかん発作が原因とされた死傷事故22例である。2002年に道路交通法が改正され、てんかんの既往があっても条件を満たせば自動車運転免許が取得できるようになったが、対象例中に免許更新時にてんかんの既往を申告した運転手はいなかった。起訴されたのは17例(77.3%)で、不起訴は5例(22.7%)であった。起訴された17例中、有罪は14例(82.4%)、無罪は3例(17.6%)であったが、近年、量刑は重くなる傾向であった。多くの運転手は、医師から自動車運転を控えるように指導されていながらも、運転を続けていた。てんかん患者の運転適性が正確に判断されるようなシステムが必要である。また、てんかん患者に対して自動車運転の適否を適切に指導できるよう、医師への啓蒙が必要と考えられた。<br>

収録刊行物

  • てんかん研究

    てんかん研究 31 (1), 8-18, 2013

    一般社団法人 日本てんかん学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (13)*注記

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