くるみ仮果被抽出物による絹羽二重の染色

書誌事項

タイトル別名
  • Dyeing of silk habutae with aqueous extract of walnut exocarp
  • クルミ カカ ヒ チュウシュツブツ ニ ヨル キヌ ハブタエ ノ センショ
  • 絹の金属媒染に関する研究VI

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抄録

落果したくるみ仮果被抽出物中のタンニン分を調べるとともに, その抽出物で絹羽二重を染色し, 金属塩処理による色の変化と染色堅ろう度を調べた。この仮果被抽出物中のタンニン分は16.6~34.4%であり, 第1回抽出物中よりも3回目の抽出物中の方が割合が高かった。この抽出物で染色した羽二重の色はわずかに赤みの茶色で, 抽出物に含まれているタンニン分の量による色への影響は極めてわずかであった。金属塩処理によって黄みと灰みが増し, 硫酸第一鉄処理では黄みの黒褐色が得られたが, タンニン-金属錯体生成による色の変化はタンニン酸吸着羽二重における場合に比べて小さく, この抽出物中の非タンニン分による着色が大きな割合を占めることが認められた。また, 金属塩処理による染色堅ろう度の向上は認められなかった。

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