山西省陽高県出土の漢代絹繊維およびその他繊維について

書誌事項

タイトル別名
  • 山西省陽高県出土の漢代絹繊維およびその他の繊維
  • Studies on silk fibers and others excavated at Han Tomb of Yanggao-hsien, Shan-si
  • サンセイショウ ヨウ コウ ケン シュツド ノ カンダイ キヌ センイ オヨビ

この論文をさがす

説明

中国山西省陽高県出土の漢代絹製品の繊維について調査し, 以下のことを知った。<br>これらの絹繊維はすべて家蚕 (おそらく三眠蚕) のものである。そのいずれもかなりよく精練されているようにみえ, 中には強く搗練を施したと思われるものもある。繭粒付数は5, 10, 15などであり, 平絹の織目はいたって細かく, かつそのすべてに併糸を認めるところから, これらは〓とみなされる。いずれの繊維にもラウジネス繊維はみられない。出土のまわたは屑物を材料としたものである。<br>楽浪漢墓および馬王堆一号漢墓の絹繊維での数値と比較した結果, 3者それぞれ違った特色をもち, 殊に陽高と馬王堆とは互いに対照的であり, かつ絹繊維の特色は, 華中 (長沙) にあっては戦国時代から漢代へかけて不変であるのに対し, 北方では戦国時代の値が漢代の陽高よりも楽浪のそれに近いことなどを知った。<br>陽高県出土の一種の麻織物は苧麻を材料としたものである。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ