太繊度「ハイバルク・シルク」の繰製方法とその糸特性

  • 高林 千幸
    独立行政法人 農業生物資源研究所 生活資源開発研究チーム
  • 中村 邦子
    独立行政法人 農業生物資源研究所 生活資源開発研究チーム
  • 宮崎 栄子
    独立行政法人 農業生物資源研究所 生活資源開発研究チーム

書誌事項

タイトル別名
  • Reeling mechanism of "High Bulk Silk" and the characteristics of silk thread
  • タイセンド ハイバルク シルク ノ ソウセイ ホウホウ ト ソノ イト トクセイ

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説明

1本の生糸を構成する際に,それぞれの繭糸の構成糸長を変えることによる嵩高生糸「ハイバルク・シルク」を繰製する方法を開発した。本方法は,煮熟繭から引出した分繊状態の繭糸を上下1対のフィードギアの間に挿通して積極的に送り出す機構が基本となっている。このフィードギアはテーパを付けたV字型のもの(下部)に,フラットなギア(上部)を噛み合わせ,これらのギア間へ繭糸を分繊させて広げた形で挿通することにより,?X字型のフィードギアの外側の繭糸はフィードギアの中心部分の繭糸に比べギアの円周が長い分多く送り出され,繭糸長が異なった糸条が形成される。その後,エアージェットノズルを介して糸条を更に送り出し,ノズル内を旋回するエアーで繭糸の捲縮を高めるようにした。<br> この装置により,繭糸条幅やエアー圧力等の繰製条件を変えた時の嵩高さや糸条の力学的特性を調査した結果,フィードギアへの繭糸条幅を広くすることにより嵩高さは増し,強度は低下するが,柔らかな糸条となることがわかった。また,撚糸をすることにより嵩高さは抑えられるが,精練後の嵩高さは精練前に比べやや高い傾向を示し,精練によって嵩高さが低下することなどは認められなかった。<br>

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参考文献 (13)*注記

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