魚類内臓を材料とする脱灰劑“オロポン”代用品の製造に關する研究(第1報)(豫備試驗)

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タイトル別名
  • Studies on the Manufacture of the Artificial Baits from Fish-viscera. I. Preliminary Experiments

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説明

市販人工脱灰劑“オロポン”の代用品として魚類内臓(鮭,鱒,鰊)を原料とせるものを製造してその効力を“オロポン”と比較した.其の結果を要約すれば次の如くである.<br> 1. 石灰漬によつて原皮中に沈積した石灰の脱除效力は鱈及び鰊内臓より製造せるものは市販“オロポン”に優り,鮭内臓より製造したものはやゝ劣る如く思はれた.<br> 2. 石灰漬後の皮質を損ぜずしてその中の蛋白質分解による窒素化合物の流出量を比較したが其の結果は鱈内臓より製造せるものは市販“オロポン”と略々同量の蛋白質を分解し得るが鮭内臓より製造せるものはやゝ流出量少いが即ち分解力はやゝ弱く思はれた.<br> 3. 流水のみによる石灰漬後の原皮中の石灰の脱除は3~4時間の流水中放置によつて約70%の石灰が脱除されることを知つた.<br> 以上諸結果により魚類内臓より製造せる人工脱灰劑は鞣皮工程中の脱灰作用の目的に對して市販“オロポン”に比してその效力は相當近迫せるものであつて,更に之に市販“オロポン”の如く鹽化アンモニア等の如き石灰を可溶性に變ずる化學藥品を加へ又は皮質中のケラチン,エラスチンの如き革としての不要蛋白質を分解溶出せしめ得る細菌の培養を添加すれば市販“オロポン”の效力に優る脱灰劑を得ることを確信するものである.こゝに於て著者等は更に次の研究段階に入ることとした.

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282679510323456
  • NII論文ID
    130001218401
  • DOI
    10.1271/nogeikagaku1924.18.4_365
  • ISSN
    18836844
    00021407
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • Crossref
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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