Environmental Factors on Establishment of Lowland Dry Evergreen Forests in Central Cambodia

  • ARAKI Makoto
    独立行政法人森林総合研究所 研究情報科
  • TAMAI Kouji
    独立行政法人森林総合研究所 水土保全研究領域 水保全研究室
  • OHNUKI Yasuhiro
    独立行政法人森林総合研究所 立地環境研究領域 土壌特性研究室
  • ITOU Eriko
    独立行政法人森林総合研究所 北海道支所

Bibliographic Information

Other Title
  • カンボジア中央部の低地乾燥常緑林の成立要因
  • カンボジア中央部の低地乾燥常緑林の成立要因--土壌水分状態とそれを規定する立地環境条件
  • カンボジア チュウオウブ ノ テイチ カンソウ ジョウリョクリン ノ セイリツ ヨウイン ドジョウ スイブン ジョウタイ ト ソレ オ キテイスル リッチ カンキョウ ジョウケン
  • ──土壌水分状態とそれを規定する立地環境条件──
  • - Discussion on Soil Moisture Condition and Site Environment Factors that Influence Soil Moisture Condition -

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Description

<p>植物の成長を規定し,生育する森林植生を支配する最も大きな要因は,気温と降水条件である。カンボジア中央部の低地は明瞭な乾季をもち,気温や降水量など気候要因を基にした区分では熱帯サバンナと位置づけられ,乾季に落葉する森林が分布する地域である。しかしながら,ここには乾燥常緑林が成立している。さらに,最近の研究結果から,この森林では乾季後半の最も乾燥する時期にさえ,蒸発散が起こっていることも明らかになってきた。この原因を明らかにするため,この森林における土壌水分状態の実態を調査するとともに,土壌特性,土層の厚さ,地下水の動態について調査,研究を進めた。 その結果,この地域では,乾季であっても樹木の生育を阻害するほどには土壌は乾燥しないという実態が明らかとなった。そして,そのような乾季における土壌水分の維持は,次のような 3 点によって支えられていると考えられる。</p><p>1) 乾燥時にも土壌水分を保持できる微細な孔隙に富む土壌特性を持つこと</p><p>2) そのような特徴を持つ土壌が厚い層を成し,土壌の水を貯える容量(保 水容量)が大きいこと</p><p>3) 上流部からの地下水供給が乾季にも続き,比較的高い地下水位が年間を 通して維持されること</p><p>これらのことが重なって,乾季後半の最も乾燥する時期にも盛んな蒸発散を示す乾燥常緑林が成立している。</p>

Journal

  • Water Science

    Water Science 55 (4), 37-61, 2011

    Japan Forest Conservation Association

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