A factor to Control the Seasonal Variation of the NO<sub>3</sub><sup>- </sup>Outflow

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  • NO<sub>3</sub><sup>- </sup>流出の季節変動を制御する要因
  • NO3[-]流出の季節変動を制御する要因
  • NO3 リュウシュツ ノ キセツ ヘンドウ オ セイギョ スル ヨウイン

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Description

最近の約30年間、森林流域からのNO3(-)流出の季節変動は、生態系の養分の蓄積やフローの状態を推し量る診断的指標として、多くの生態学者、水文学者から注目されてきている。一般に、渓流水のNO3(-)濃度を左右する主要な要因として、1)生態系の養分要求量、2)溶質の輸送能力としての流域の水文過程、3)渓流内の栄養塩の消費と生成などが挙げられる。我々は、これらの要因の相対的な重要性を検討し、異なる気候条件下の比較研究、特に北東アメリカと日本の事例研究の結果を用いて、この要因が決まる条件を考察した。夏季に顕著な降水量の増大が見られない北東アメリカでは生態系の窒素の要求量がより強い制御要因となることが多いのに対して、夏季に降水量の多いモンスーン気候下の日本の森林流域では水文条件の季節変動がより強い制御要因となることがわかった。これらの考察から、森林流域の渓流水のNO3(-)の濃度の季節変動の形成機構を明らかにするためには、多様な気候条件下での事例研究を収集・整理する必要があるということができる。また、渓流のNO3(-)濃度の変動に対する、森林斜面の生物地球化学的なプロセスと渓流内のプロセスの相対的な寄与度は、渓流の規模によって変化するので、一つの研究対象の渓流についていくつかのスケール(集水面積・渓流の幅など)で観測が行われることの重要性が指摘できる。

Journal

  • Water Science

    Water Science 54 (1), 1-16, 2010

    Japan Forest Conservation Association

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