A Study on the Fractal Dimensions and Geological Condition of Landslides

  • KUBOTA Tetsuya
    Dept. of Environmental Science, Faculty of Agriculture, Tottori Univ.

書誌事項

タイトル別名
  • Study on the Fractal Dimensions and Geological Condition of Landslides

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抄録

地すべりの危険箇所や危険度調査においては極力少数の要因を用いて定量的な判定ができることが望ましい。その観点から, 地すべり面積率や箇所数では表現できず, これまで定性的にのみ表現されて来た発生形態の複雑さを定量的に表現するフラクタル次元Dを用いた危険度判定が有意義なものと思われる (久保田1994) 。本研究では, 特に地質情報とDとの関係に着目, その間に有意な関係があるかどうかを検討し, 初生を含めた地すべりの危険箇所・危険度判定要因としての有用性を考察した。その結果, Dは実際の地すべりにおいて地質ごとに判別可能な程度に有意な差をもち, 地質からDすなわち発生形態を含めた地すべりの定量的な概略の危険度を判断することに利用可能と思われるので報告する。<BR>本研究では, 地すべり被災危険度の高さがその発生形態の複雑さに比例すると考え, 地すべり面積率や箇所数では表現できず, これまで定性的にのみ表現されて来たこの発生形態の複雑さを定量的に表現する幾何学の新しい概念であるフラクタル次元D (Fractal Dimension) と地質の関係を研究した結果, 実際の地すべりではDに関して地質ごとに判別可能な程度の有意な差をもち, 初生地すべり危険度調査指標として地質情報からDすなわち発生形態を含めた地すべりの概略の危険度を定量的に判断し得ることが明らかとなった。

収録刊行物

  • 地すべり

    地すべり 33 (1), 29-34_1, 1996

    公益社団法人 日本地すべり学会

参考文献 (7)*注記

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