胃検診におけるLinitis plastica型胃癌の実態と対策

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  • A Study of Linitis plastica-type Gastric Cancer detected by Gastric Mass Survey

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抄録

1978年1月から1997年12月までの20年間に当センターにて発見されたLinitis plastica型胃癌 (以下LP癌) 66例とそのうち間接胃集検にて拾い上げられた37例, またLP癌の初期像とされる胃底腺領域の潰瘍合併のない2cm以下の未分化癌11例を対象に, 胃集検におけるLP癌の時代的変遷と診断能および早期発見への方策を検討した。LP癌の全胃癌における頻度は前期 (1978年~1987年) 6.4%, 後期 (1988年~1997年) 2.3%と減少傾向であった。間接胃集検における正診率は全体で68%, Typical-LPでは100%, Latent-LPでは45%であった。Latent-LPの前期の正診率は23%で後期の正診率は78%であった。LP癌の初期像とされる1) 胃底腺領域の潰瘍合併のない2cm以下の未分化癌の発見率は前後期でほとんど変化がなく間接X線にて正診された症例は11例中2例 (18%) であった。したがって現在の間接胃集検でLP癌の初期像の拾い上げは困難であると考えられ, 少なくともLP癌のなかでも比較的予後のよいLatent-LPを確実に正診できる検査体系を確立する必要がある。Latent-LPの偽陰性例の検討よりLP癌の早期発見には現在の胃集検の標準撮影法に体部大彎, 体部前壁の検査体系を, すなわち良く伸展させた強い第1斜位像と前壁の2重造影像を追加する必要がある。

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