大腸癌検診における免疫学的便潜血検査の定量値に関する検討

書誌事項

タイトル別名
  • Values of Fecal Hemoglobin in Screen-detected Colorectal Cancer Cases

この論文をさがす

説明

便潜血カットオフ値の検討から, 地域での要精検率を下げるためにはカットオフ値を現在の 130ng/mlから150ng/mlに上げ, 職域での2日法を推奨すべきであると思われた。便潜血定量値と発見大腸癌の関係では, 早期癌の平均値900ng/mlに対し進行癌が1,556ng/mlと有意に高値であった。早期癌の肉眼型では表面型が419ng/mlと最も低く, Is, Isp, LST, の順に高くなり, Ip型が1,154ng/mlと最も高い値を示した。大きさでは10mm以下は21mm以上に比較して有意に低かった。深達度ではm癌ではsm癌に比較して有意に低かった。占居部位による差はみられなかった。以上より, 表面型, 1cm以下, 粘膜内癌は便潜血検査が陽性となりにくいと考えられ, 逐年検診の重要性が示唆された。便潜血検査の定量値が上がると陽性反応適中度が上昇し, また便潜血検査2回陽性例は陽性反応適中度が 10.5%と高く, 精検受診勧奨の際に考慮すべきであると思われた。

収録刊行物

被引用文献 (4)*注記

もっと見る

参考文献 (7)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ