歴史的地区再開発にともなう都市住宅の比較研究(2)
書誌事項
- タイトル別名
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- A study on the urban dwelling in redevelopments of historical districts(2)
- 19世紀の西欧都市の場合
- European cities in the nineteenth century
抄録
ローマ,ロンドン,パリ,バルセロナの各都市は,19世紀の急激な人口増加に際して,都市再開発や新規の住宅地開発により多くの都市住宅を建設して対応した。本報告では,前報に引き続き各都市で建設された都市住宅を対象に,その建築的特徴を明らかにするため,街区ならびに各住戸の平面構成と,住宅の外観などの立面構成に関して,各都市でいくつかのケース・スタディ地区を設定し比較検討を行なった。まず平面構成では,街区における住戸ブロックの配置は,基本的にどの都市も中央に中庭を設けた,いわゆる「ロの字」型配置である。しかし,パリとバルセロナが四隅の閉じられた完全な「ロの字」型であるのに対して,ローマとロンドンではその形式に固執するのではなく,プロック同士に隙間を設けて建物のヴォリューム感を弱める場合があった。また中庭についてみると,階段室などアプローチはどの都市でも中庭側に設けるが,パリが中庭を舗装するのに対して,ほかの都市では植栽が施されている。矩形街区の端部をみると,ローマ,パリ,バルセロナでは「隅切り」の処理がなされている一方,ロンドンでは直角の壁のままにされている。住戸の平面では,諸室が中庭側と街路側の双方に面するよう工夫がされ,伝統的な西欧の都市住宅の平面形式が踏襲されている。次に都市住宅の立面構成をみると,どの都市でもイタリアのパラッツォ建築にみられる基礎階,ピアノ・ノービレを含む2,3層,屋階を基本として5~6階建てが最も一般的で,多少の相違はあるものの階高は揃えられ,整った都市景観が形成されており,この傾向はパリが最も顕著である。他方,外観の建築様式は,古典的,バロック的などさまざまで,「折衷様式」ともいえる。また,開口部や屋根の形式,仕上げなどは各都市で独自性が認められ,建築様式も多様にみえるが,意匠の基本はあくまでも各都市の伝統に基づいており,こうして過去の建築との意匠的な継承性が保たれ,都市景観の歴史的連続性が生み出されている。
収録刊行物
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- 住宅総合研究財団研究年報
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住宅総合研究財団研究年報 20 (0), 131-145, 1994
一般財団法人 住総研
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282679524675456
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- NII論文ID
- 130006730326
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- ISSN
- 24239879
- 09161864
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可