経管栄養中の重症心身障害児における亜鉛欠乏症のココアによる治療

  • 中川 栄二
    国立精神・神経センター武蔵病院小児神経科
  • 石川 充
    国立精神・神経センター武蔵病院小児神経科
  • 山内 秀雄
    国立精神・神経センター武蔵病院小児神経科
  • 花岡 繁
    国立精神・神経センター武蔵病院小児神経科
  • 須貝 研司
    国立精神・神経センター武蔵病院小児神経科

書誌事項

タイトル別名
  • Cocoa therapy for zinc deficiency in severely handicapped children with tube feeding.

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説明

経管栄養を受け血清亜鉛値が低値であった重症心身障害児 (者) 8名に亜鉛欠乏症の治療を目的とし, 硫酸亜鉛, きなこ, ココアを投与してそれぞれの投与前後の血清亜鉛値の変化を検討した. 投与量は, 硫酸亜鉛は金属亜鉛として1~2mg/kg/日, きなこは15~259/日 (亜鉛としては0, 7~hng/日), ココアは6~129/日 (亜鉛としては0.7~1mg/日) とした. 投与前後の血清亜鉛値は, 硫酸亜鉛では45.5μ9/dl±8.1から76.5μ9/dl±4, 5に, きなこでは53.5μ9/dl±6.4から67.6μ9/dl±9.4に, ココアでは53.7μg/dl±7.2から66.4μg/dl±59にそれぞれ変化し, 硫酸亜鉛, きなこ, ココアのいずれも投与後に, より有意に亜鉛値を改善維持した. また, きなこおよびココアは硫酸亜鉛より少ない亜鉛投与量で同等の効果が認められた。さらにココアはきなこより少ないカロリーと投与回数で亜鉛値を改善維持することができた. 以上の点からこの三者の中では, ココアが亜鉛欠乏症改善剤として最も優れていると考えられた.

収録刊行物

  • 脳と発達

    脳と発達 25 (6), 571-573, 1993

    THE JAPANESE SOCIETY OF CHILD NEUROLOGY

被引用文献 (1)*注記

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