アメリカ・パーキンス盲学校における学校図書館の成立と展開 : 学校創立から1930年代までの検討を中心に

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タイトル別名
  • Foundation of School Library in Perkins Institution for the Blind and Its Development : Focused on from the Time when Perkins Institution was Founded to the 1930s
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抄録

わが国特殊教育の発展に寄与した川本宇之介は戦前から「特殊学校」の学校図書館について言及していたが,その際に注目したのがパーキンス盲学校の学校図書館であった。同校は,アメリカの盲学校教育の先駆的存在であり,同校に関する先行研究はわが国でも多数存在する。しかし,その学校図書館については詳らかでない。そこで,本研究では,パーキンス盲学校における学校図書館の成立と展開を明らかにすることを目的とした。同校には,創立時より学校図書館が設けられたが,その当時の凸字図書の蔵書冊数は3冊に過ぎず,凸字図書の不足を補うため,校内に印刷所を併設し印刷・出版も行っていた。学校図書館は,1840年代から,地域開放や巡回文庫事業をアメリカでいち早く実施し,視覚障害者の読書環境改善に寄与していった。1880年代以降,印刷所と学校図書館はさらに大きく発展する。その要因は,専任司書の配置,「ハウ記念印刷基金」の創設,蔵書等の凸字図書から点字図書への移行,3代校長アレンによる学校改造,などであった。こうして,アメリカで最も大きな盲学校図書館へと発展していったのである。

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