急性期のめまいに対するジフェニドールとベタヒスチンの治療効果

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タイトル別名
  • Therapeutic effects of diphenidol and betahistine on acute vertigo as determined by the self-assessment of handicap in daily life due to vertigo
  • - 患者による日常生活の障害の改善から評価した治療効果の比較 -

抄録

今回、われわれはめまいによりもたらされる日常生活の障害の程度を客観的に評価できるアンケートを用い、ジフェニドールとベタヒスチンの治療効果を比較検討した。ジフェニドールは 4 週間投与で、めまいによる社会活動性の障害、めまいを増悪させる身体の動き(頭位、視覚)、めまいによる身体行動の制限(全般的、体動)、めまいによる感情障害、めまいによる対人関係の障害、めまいによる不快感のすべての因子を有意に改善させた。ジフェニドールは抗めまい作用に加えて制吐作用を持つことから、めまいによる機能障害およびめまいに伴う不快感を改善させ、その結果、めまいによる社会的障害およびめまいによる感情障害を改善させたものと考えられた。ベタヒスチンは 4 週間投与で、めまいによる社会活動性の障害、めまいによる対人関係の障害を有意に改善させたが、その他の因子には有意な改善を認めなかった。薬理作用の点から、ベタヒスチンは 2 カ月以上の長期投与を推奨している報告もあり、めまいにより引き起こされる日常生活の障害に対するベタヒスチンによる効果を明らかにするためには、さらに長期間の投与による検討が必要であると考えられた。

収録刊行物

  • 耳鼻と臨床

    耳鼻と臨床 59 (3), 115-121, 2013-05-20

    耳鼻と臨床会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282679548946432
  • NII論文ID
    130004555610
  • DOI
    10.11334/jibi.59.115
  • ISSN
    21851034
    04477227
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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