乾性耳垢と湿性耳垢の脂肪酸分析による比較

  • 岩崎 聡
    信州大学医学部附属病院人工聴覚器学講座
  • 鈴木 宏明
    信州大学医学部耳鼻咽喉科学講座
  • 茂木 英明
    信州大学医学部附属病院人工聴覚器学講座 信州大学医学部耳鼻咽喉科学講座
  • 工 穣
    信州大学医学部附属病院人工聴覚器学講座 信州大学医学部耳鼻咽喉科学講座
  • 宇佐美 真一
    信州大学医学部耳鼻咽喉科学講座

書誌事項

タイトル別名
  • Analysis of fatty acids from wet and dry ear wax samples

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説明

耳垢には乾性耳垢と湿性耳垢があることが知られており、以前から性状の違いは耳垢に含まれる脂質の量と組成により決定されるといわれ、これまで湿性耳垢の脂質の組成に関する報告がほとんどであった。耳垢は日頃臨床の場でよく遭遇し、生理作用もあるといわれているが、詳細はいまだ検討されていないのが現状である。今回われわれは脂質の中で最も多く含まれるといわれている脂肪酸の構成成分を乾性耳垢と湿性耳垢で分析し、比較検討した。高速液体クロマトグラフにより代表的な必須脂肪酸、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸を乾性耳垢と湿性耳垢で測定した。測定した 7 種類の脂肪酸を試料 1 g あたりに換算した量で比較するも有意な差は認められなかった。ただし、まだ同定されていない脂肪酸成分の反応が湿性耳垢でみられたことから、湿性耳垢のみに含まれる特異的な脂肪酸成分の存在が示唆された。

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