吃音症における社交不安障害の重症度尺度(LSAS-J)の検討

  • 菊池 良和
    九州大学大学院医学研究院臨床医学外科学講座耳鼻咽喉科学分野
  • 梅﨑 俊郎
    福岡山王病院耳鼻咽喉科・音声嚥下センター 国際医療福祉大学
  • 澤津橋 基広
    九州大学大学院医学研究院臨床医学外科学講座耳鼻咽喉科学分野
  • 山口 優実
    九州大学大学院医学研究院臨床医学外科学講座耳鼻咽喉科学分野
  • 安達 一雄
    福岡山王病院耳鼻咽喉科・音声嚥下センター
  • 佐藤 伸宏
    福岡山王病院耳鼻咽喉科・音声嚥下センター
  • 中川 尚志
    九州大学大学院医学研究院臨床医学外科学講座耳鼻咽喉科学分野

書誌事項

タイトル別名
  • The assessment of social anxiety disorder in people who stutter using the Liebowitz Social Anxiety Scale Japanese version (LSAS-J)

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説明

<p>吃音症は成長していくにつれ、表面上の吃音は軽減したようにみえる。しかし、吃音を隠す努力を行うことで、思春期・青年期に社交不安障害(SAD)を合併することがある。 そのため、吃音症における社交不安障害の合併とその性質を把握することが必要である。 本研究では、2011 年から 2016 年まで九州大学病院耳鼻咽喉・頭頸部外科に吃音を主訴に来院した 100 名(平均 24 歳、男女比 3.7:1)に、社交不安障害の重症度尺度である LSAS-J を記入したものを解析した。年代で比較すると、10 代、20 代に比べて、30 代は有意に LSAS-J の値が低下していた。性別差を検討すると、10 代のみ女性が男性よりも有意に LSAS-J の値が高かった。また、成人吃音者では、50%が SAD に相当した。以上より、吃音を主訴で来院する場合は、表面上の吃音だけではなく、SAD の合併の有無を考えて診療する必要があることが示唆された。</p>

収録刊行物

  • 耳鼻と臨床

    耳鼻と臨床 63 (2), 41-46, 2017-03-20

    耳鼻と臨床会

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