離散コサイン変換と独立成分分析の基底を併用した静止画像符号化方式

  • 亀田 昌志
    岩手県立大学大学院 ソフトウェア情報学研究科
  • 川村 和也
    岩手県立大学大学院 ソフトウェア情報学研究科

書誌事項

タイトル別名
  • Still Image Coding Using Both Bases of Discrete Cosine Transform and Independent Component Analysis
  • リサン コサイン ヘンカン ト ドクリツ セイブン ブンセキ ノ キテイ オ ヘイヨウ シタ セイシ ガゾウ フゴウカ ホウシキ

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抄録

画像符号化の国際標準方式に採用されている離散コサイン変換(DCT) は,定常性を満足する領域では高い圧縮性能を有しているが,符号化レートが低くなると,エッジ周辺等に視覚的に妨害となる歪を発生する.一方で,多次元信号解析の一手法である独立成分分析(ICA) を画像に適用することにより,入力画像に対して固有なICA 基底群が導出される.ICA は画像の局所的特徴の保存に有効であることから,ICA 基底を用いた画像符号化方式が検討されているものの,DCT と比較した場合に十分な符号化性能を得ることができていない.そこで,入力画像に領域分割を適用した後,それぞれの領域をICA 基底及びDCT 基底のいずれかを用いて符号化するICA-DCT 基底切替型符号化を考案する.さらに,ICA 基底に残された冗長性を削減するために,DCT による基底の置き換えに基づいた符号化損失を定量的に評価可能な指標を定義して,性能改善に寄与する重要なICA 基底を抽出する方式として,ICA-DCT ハイブリッド型符号化を提案する.提案方式を実画像に適用した結果,ICA 及びDCT 基底群をそれぞれ単独に使用したものと比較して,すべての符号化レートにおいて性能が改善されていることを確認した.

収録刊行物

  • 画像電子学会誌

    画像電子学会誌 45 (2), 201-211, 2016

    一般社団法人 画像電子学会

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