JPEG2000によるHDTV放送制作システムの開発と性能評価

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タイトル別名
  • Development of JPEG2000 HDTV Program Production System and Its Performance Measurement
  • JPEG 2000 ニ ヨル HDTV ホウソウ セイサク システム ノ カイハツ ト セイノウ ヒョウカ

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抄録

HDTV素材をネットワーク,携帯動画など多様なメディアに展開し,映像素材の「シングルソース・マルチユース」を実現するため,JPEG2000静止画符号化方式(以下,JP2Kと略)を応用して,効率的にHDTV番組のコンテンツ制作を行える一連の技術を開発した.JP2Kの特徴であるscalability(画像階層性)により,映像素材の編集などオフラインでの番組コンテンツ制作作業を効率化するのみならず,高画質で低遅延なフィールド内符号化が実現できるので,生素材のリアルタイム伝送にも役立つ.これらJP2Kの特徴をHDTVに活用するため,1) PC拡張基板1枚によるJP2K規格準拠のコンパクトなJP2K-HDTV動画コーデック,2) JP2KのscalabilityによりHDTV動画が汎用PC上で簡易に試写できるMotion-JPEG2000規格準拠のソフトプレーヤ,3) ネットワーク型番組制作環境でHDTV素材を共有するため,multicast伝送が可能なJP2K-HDTVのUDP伝送プロトコルとクライアント・ソフトウェアを試作した.更に,24bit/16チャンネルの非圧縮音声の伝送機能を付加し,IPネットワーク経由で取材現場映像を低遅延で生中継伝送するJP2K-HDTV緊急報道システムを試作した.また,本JP2Kコーデックの画質評価実験の結果,放送現場でHDTV素材用に広く使われる140Mbps HDCAM-VTR(Frame内DCT)半分のレートの70Mbpsで同程度の画質(SNR)が得られた.

収録刊行物

  • 画像電子学会誌

    画像電子学会誌 35 (6), 895-908, 2006

    一般社団法人 画像電子学会

参考文献 (19)*注記

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