2009~2012年北部九州の都市と離島における大気中のベンゾ[<i>a</i>]ピレン濃度

DOI Web Site オープンアクセス

書誌事項

タイトル別名
  • Atmospheric levels of benzo[<i>a</i>]pyrene observed at urban and island sites in Northern Kyushu area of Japan between 2009 and 2012
  • 2009~2012年北部九州の都市と離島における大気中のベンゾ[a]ピレン濃度
  • 2009~2012ネン ホクブ キュウシュウ ノ トシ ト リトウ ニ オケル タイキ チュウ ノ ベンゾ[a]ピレン ノウド

この論文をさがす

抄録

ベンゾ[a]ピレン (BaP) は環境省によって優先取組物質に指定された有害大気汚染物質であり、日本で排出される粒子や他の国々から国内へ輸送される粒子中に存在する。九州地方の大都市で観測されるBaP濃度に輸送成分が占める割合を調べるため、2009~2012年に6回の集中観測を行った。全浮遊粒子状物質中のBaPを福岡市および福江島のサイトで同時に観測した。福岡市および福江島で観測された平均BaP濃度は、それぞれ220±191 pg m-3(n=74,nはサンプル数を表す)および84±77 pg m-3 (n=73) であった。福江島での観測から、ほとんどのBaPはPM2.5中に分布することを確かめた。福江島のサイト周辺に主要な発生源はないことから、福江島では中国や日本のような東アジアの国々から北部九州に輸送されたBaPの濃度が観測され、福岡市では輸送された汚染物質と市内で排出された汚染物質の濃度の和が観測されると仮定した。この仮定を多環芳香族炭化水素の異性体比や気象データによってチェックした。この仮定に基づき計算を行ったところ福岡市で観測されるBaPの47%が北部九州域外からの輸送に由来すると評価された。本研究は国内の人口100万人を超える大都市のBaP濃度に輸送が占める割合を4年間の観測結果に基づいて評価した初めての研究である。

収録刊行物

  • 大気環境学会誌

    大気環境学会誌 49 (3), 138-148, 2014

    公益社団法人 大気環境学会

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ