東京都心地域におけるホルムアルデヒドの高濃度ピーク事象の原因

  • 石井 康一郎
    公益財団法人東京都環境公社東京都環境科学研究所 東京都環境局環境改善部
  • 松本 幸雄
    統計数理研究所
  • 伊藤 政志
    一般社団法人海外環境協力センター
  • 上野 広行
    公益財団法人東京都環境公社東京都環境科学研究所
  • 内田 悠太
    公益財団法人東京都環境公社東京都環境科学研究所 東京都環境局環境改善部
  • 齊藤 伸治
    公益財団法人東京都環境公社東京都環境科学研究所
  • 星 純也
    公益財団法人東京都環境公社東京都環境科学研究所
  • 中嶋 吉弘
    東京農工大学大学院農学研究院
  • 加藤 俊吾
    首都大学東京大学院
  • 梶井 克純
    京都大学大学院地球環境学堂 国立環境研究所地域環境研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Source Attribution of High Concentration Peak Events of Formaldehyde in the Central Tokyo Metropolitan Area
  • トウキョウ トシン チイキ ニ オケル ホルムアルデヒド ノ コウノウド ピーク ジショウ ノ ゲンイン

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抄録

多数の発生源の影響を強く受ける東京都心東部においてHantzsch法によるHCHO濃度の連続自動測定(1分値)を2010年6月から2013年1月まで行った。2012年の濃度分布状況は、日平均濃度(n=318)で年平均値3.03 ppbv、98パーセンタイル値6.90 ppbv、最高値9.99 ppbvであった。1時間平均濃度(n=7776)の中央値濃度は2.47 ppbv、幾何平均濃度は2.55 ppbv、最高値は29.7 ppbvであった。区間幅1 ppbvの頻度分布では区間1~2 ppbvの頻度が最も多く、濃度分布は近似的に対数正規分布を示した。1分間濃度が20 ppbvを超えるピーク状HCHO高濃度76事例について発生原因を推定した。その結果、CO濃度との相関のあった8事例は燃焼系固定発生源からの一次排出と、SO2濃度との相関のあった1事例は東京湾の船舶からの一次排出と推定された。CO、SO2、O3濃度との相関の低かった31事例は非燃焼系固定発生源からの一次排出によると推定された。O3濃度と相関の高かった28事例は燃焼系固定発生源からのVOCによる二次生成と推定された。COおよびO3濃度が共に相関の高かった8事例は一次排出ならびに二次生成と推定された。これらのピーク状高濃度HCHOの発生には調査地点南側近傍にある固定発生源の寄与が大きいと考えられた。

収録刊行物

  • 大気環境学会誌

    大気環境学会誌 49 (6), 252-265, 2014

    公益社団法人 大気環境学会

被引用文献 (1)*注記

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